管見耄言ー22.

「改憲論者」こそ歴史を歪曲する張本人たち
 旧安倍派の幹部が次々に復権を果たす中、またまた安倍晋三チルドレンの1人参議員議員西田昌司が物議を醸している。20年も前のあやふやな記憶というより、それ以前からの自身の持論を元に「ひめゆりの塔の説明は歴史の書き換えだ」だと言ったのだ。
 神道政治連盟などという怪しげな極右団体と沖縄県神社庁、日本会議沖縄県支部主催の憲法記念日シンポジウムとはいえ、憲法論議の場での講演であるだけに、沖縄県民のみならず、日本人皆が自らの問題として糾弾しなければならない。すったもんだの末、昨日(10日)になって発言は削除し、沖縄県民にお詫びするというコメントを発表したが、「ひめゆりの塔の説明が歴史の歪曲だ」とする持論そのものは変えようとしなかった。一度でもひめゆりの塔を訪れた人は誰でも、西田という安倍晋三チルドレンが言っていることの方が、こじつけ、難癖、フェイクであると知っている。残念ながら彼は今夏の参議院選挙では改選されない。だからこそ平然と持論を通しているのだが、あと3年、有権者は忘れないでおくしかあるまい。
 歴史の書き換えなどというが、妄想と意図的な軍国志向で歴史を書き換えようとこれまでも主張してきたのは西田自身だし、現にくだんのシンポジウムでも自分たちの納得できる歴史をつくる必要があるなどと歴史を歪曲しようという本音を口にしていたそうだ。統一教会の手先になってきた安倍派議員たちが、揃いもそろって戦争のできる国にしようとしていることに、我々はもっと注意を払わなくてはならない。そして自民党に巣食うこの輩、この極右集団が何故憲法を書き換えたいのか。それは日本を戦争のできる国にしたいからに他ならないということを、ことあるごとに声をあげていかなくてはならない。このままではこの国は戦争をしたがる人間たちのもと、戦争をする国になり、米軍基地の集中する沖縄の人々を再び地獄に引きずり込んでしまうことになりかねないから。
 繰り返すが、わたしは憲法も金科玉条とは思っていない、時代にそぐわないところが出てくれば、きちんと論議して変えていけばいいことだとも思っている。しかし、今、改憲改憲と叫んでいる輩は皆、9条のみを問題にして、その束縛を緩めて日本を戦争のできる国にしようとしているのだ。昭和の時代には本音はともかく自衛官が「自分たちは軍人である」とか「自衛隊は軍隊である」と言うことはなかった。ところが令和になってからは、西田のような極右集団に力を得てなのか、自衛官自身が「軍人」だ「軍隊」だといってはばからなくなった。
 自衛隊は自衛隊として既に憲法上も国際法上も国民感情としても、その存在を認知されている。ことさらに憲法を変えてまで自衛隊を軍隊として認めさせる必要はどこにもない。そうしようとしていること自体、危険極まりない好戦思想だとわたしはこれまでも常々言い続けてきた。
 そこで「ならばお前はこの国の安全保障をどう考えているか」である。それをこれからたっぷりと書きたいと思っている。乞うご期待。

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